くじ引きで学校が決まるとか。

エマです、こんにちは。

4年制小学校の4年生である長男の進学先にやきもきしている今日此頃です。新しい進学先の学校では5年生として学校生活をスタートします。さて、移行学年と呼ばれるこの4年生の親は、10月末以降何度にも及ぶ保護者会やら進学希望の学校の説明会などの日程に、半年ほど踊らされる事になります。基本的に情報収集は各家庭で行う為、親同士もwhatsappなどで夜な夜な情報集めに余念がありません。

そして驚く事なかれ、我が家が居住しているドイツの中でも異例のこの州では、公立の進学先はなんと、くじ引きで決まるのです。すげーよ、XXX州。なんかですね、学校推薦などで希望の学校に行けなかった子供の親たちが公平性を巡って州政府と裁判で係争中というのもあって、ここ数年前から、担任・学校推薦及び成績表の提出での進学先決定方法は廃止になって、まずは第2希望までを申請、抽選・くじ引きの方法に変更したそうです。外野の裁量や思惑の入らないくじ引きならば平等、という考えからそういう決まりになったらしいですが、それだと自分の希望の学校に入れるかもしれないという一縷の望みすら木っ端微塵になってしまい、全く意にそぐわない学校に進学するケースが多数。本人の頑張りなんてどうでもいい進学決定方法なのです。その割に兄弟枠があるという、第一子や一人っ子からすると不平等極まりない決定方法も特別枠としてあります。

進学する学校が決定するまでの流れはこんな感じです↓

12月-2月 担任・副担任と個人面談。希望進学校の聞き取り、先生との意見交換、先生が生徒の成績・内申を見て進学先学校や方向性を親に薦める。

3月-4月 進学先の希望申請書を提出

5月 州の文部省・関係者による抽選会及び生徒振り分け会議

6月末 進学先決定

ドイツの学校には3つの中等・高等学校のカテゴリーがあって、中等校修了、中等実業校修了、高等校修了があり、これと第一外国語をまず決めます。ストレートに大学進学を目指しているのならば高等校修了のコースを希望します。その他の修了コースでも大学進学出来ますが、大学入学資格を得る為に、遠まわりをしながら別途大学入学資格コースを受けねばなりません。

それから我が州ではその修了コースを決めた後、該当する希望進学校を2つ決めます。その後、その2つの希望進学校の抽選から漏れた場合、修了コースに合わせた学校に行くのか、それとも修了コースにかかわらず居住地から近い所の学校がいいのか、選択させられます。修了コースに合わせた学校を選択した場合、場合によってはとても遠い学校に入学する可能性が高いです。かと言って居住地から近い所の学校で、空きのある人気のない学校となると、学校の質が疑われます。そういう学校は生徒だけでなく、教師も変な人が多い可能性があります。

このくじ引き抽選の方法では、第1希望の学校の抽選から漏れた際、既に第2希望の学校を元々第1希望としていた生徒で既に満席な為に、自動的にそもそも第2希望の学校には進学不可能になるのです。どちらの希望にも入れなければ、希望しない学校に入らなければならない可能性もある訳です。どんなに成績が万全だとしても、どれだけ子供が熱意をもって努力しても、報われないくじ引き抽選。当選すれば万々歳ですが、落選すれば地獄を見るかもしれない悪夢。こういう事実を知ってしまうと、希望する学校や周辺の学校の説明会に参加する気力が失われていきます。もう天に運を任せるしかない訳です。

天を仰いでも、雨模様。嗚呼、何かアンニュイです。

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11月11日の聖マルティンの日のランタン。長男の力作です。