再読『飛ぶ教室』

エマです、こんにちは。

久々に再読しました、ケストナーの『飛ぶ教室』。岩波書店ケストナー少年文学全集は箱買いして持っているのですけれど、思いっきりケストナーのファンという訳ではないのです。どちらかというとドイツ児童文学ならばプロイスラーが好きで、『クラバート』は中々面白く読めました。

飛ぶ教室』を初めて読んだのはもう何年も前の昔、原文で読んだのです。その時、冒頭の導入箇所に馴染めず、最後までただ何となくポワーンと読んでおり、これは私自身のドイツ語力のなさ故かと思い、翻訳本でも読んでみました。しかし、やっぱり原文を読んだ際に感じた違和感が、同じように翻訳本からもするように感じ、それ以来、『飛ぶ教室』を避けて、長い間再読する事はありませんでした。

それ以降、プロイスラーだったり、別のドイツの児童文学だったりを、原文もしくは翻訳本で読むようになって、ケストナーを読んだ時に感じた違和感のようなものが、何となく分かって来たように思います。ドイツの児童文学の、子供に噛み砕いて語り聞かせるような話の進め方や登場人物の子供っぽさが、日本の児童文学のそれとは異なるように感じました。

そうして、ドイツの児童文学を読み続け、修行を重ね、翻訳本ではありましたが、『飛ぶ教室』を再読したのです。翻訳者は、ヘルマン・ヘッセの翻訳で有名な故・ドイツ文学者の高橋健二氏。彼の翻訳ならば安心して読む事が出来ます。それでも矢張り導入箇所の違和感は感じたものの、今回は面白く読む事が出来ました。クリスマスの時季に丁度良い読み物で、気持ちの良い少年たちや先生たちが登場し、最後は大団円。それなのに、何故以前、この本を読む事が苦痛だったのか分からず、今まで再読を回避していた自分の未熟さが悔やまれます。しかし、今再読する事が、巡り合わせだったのだろうと思っています。そうして大体において自分がそうするように、これからの人生で、何度でも再読する本のリストに入れておきました。

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明日は第二降誕祭日。クリスマスが終わるのは翌年1月6日、聖三賢者の日まで。それまでは樅木は飾っておき、クリスマスを引き続きお祝いします。穏やかな優しい気持ちで新しい年を迎えられますように。