日本語教育と習い事など。

エマです、こんにちは。

コロナ禍が終了し、非日常から日常へ戻っているドイツ。習い事のアクティビティが土曜日に再び開催されるようになって、日本語学校へ行かねばならぬ我が家には大打撃。ドイツでは主にサッカーが子供たちに大人気の習い事。サッカーに限らず、スポーツの大会や合同練習会や講習会だとかは土曜日開催となります。日本だったら日曜日に大会や練習試合が開催される事が多いかと思いますが、ドイツでは日曜日は絶対的な安息日。現在はキリスト教とかあまり関係ないです。労働者の権利保護の為というのが大前提。日曜日は休むもの、と決まっているので、開いているのは博物館とか映画館のような娯楽関連施設や、カフェや飲食店だけですね。そしてガソリンスタンドは個人店だと閉まっているので要注意。

我が家も、柔道指導員の旦那の希望で子供たちが柔道を始めました。コロナ禍で、練習や昇級審査などもあまり積極的に開催する事もありませんでしたが、昨年から徐々に練習が始まり、今年からは大手をふって土曜日の大会や合同練習が開催されます。体を動かす事が好きな割に、痛いのや面倒くさい事が嫌いなのもあって、次男は柔道にはあまり積極的ではありませんが、長男はメダルが欲しくて試合に参加したい。でも土曜日は日本語学校もあるし。日本語学校は年間たった36日しかなく、また月謝も高額(1人分で1万8千円もする・・・)。欠席すると宿題や次回のテスト勉強にとても響き、出席日数が少ないと留年します。ただ、子供も年齢が上がり、小学校中学年くらいになると、

  • 現地校進学の為の勉強
  • 習い事及び習い事に関する自宅学習
  • 友人や家族と過ごす時間

日本語教育にかかる時間によって奪われ、子供たちや、特に外国人配偶者との間で諍いの元になったりします。上記の理由で、長男のクラスの生徒たちがどんどん辞めていってしまい、別のクラスと合併した為、新しい環境が苦手な長男は少し不安なようです。

それでも、日本語学校を辞めたからといって、同じように自宅で勉強出来るのかというと、それはほぼ不可能です。出来る子もいるけれど、それは既に日本語が流暢な子であって、「てにをは」が全く出来ず、未だに片言しか話せない我が家の子供たちのようなタイプでは無理だと思います。授業内容を教育課程表に沿って、家庭で自宅学習出来るとしても、家族以外の日本語話者の先生や同級生との会話、集団で行う学校行事、こうしたものは経験する事が出来ません。外国語として日本語を習得するのではなくて、継承語としての日本語教育を行っているのもあり、日本語学校で得られる経験は、語学留学などで得られるものではないと思っています。

上記に「日本語教育にかかる時間によって奪われる」と記述しましたが、表現が難しいですね。強制されているものでもないし、かといって日本語教育を放棄すれば良いというものでもない。でも実際に生活しているドイツで、友人たちとの時間を取れなくなったり、習いたい別の事を諦めなければならないなど、弊害があるのも事実。友人たちに放課後や週末に遊びに誘われても断らなければならない現実があり、毎日日本語の勉強の采配に日本語話者である親と子供たちがストレスを感じ、土曜日自由に家族で何かをするプランを立てる事も出来ないなど、各方面から不満が募ると家族内で揉める事もしばしばあります。こうした弊害は、事前に大体どの家庭も話し合って納得の上で日本語学校への入学を決めるのですが、それでも実際に学年がある程度上がって、現実的な問題に直面してから再検討をしつつ、その家庭、事情によって、優先順位や状況の擦り合わせをしたり、また場合によっては進退を決定するという感じではないでしょうか。

結局は日本語学校日本語教育は、辞めた瞬間は清々するのかもしれないけれど、親子共々、後からじわりじわりと後悔の念が湧くのだろうなと思う。ならば潔く最初から日本語教育をしないという方向でやれば良かったのか。悩みは多い。良きに計らえ。行き当たりばったりで行くしかないのだろうな、我が家の場合。

 

では皆さんも良い週をお過ごし下さい。

 

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「Pardon Bonbons」

本屋さんのショウウィンドウに飾られてあり、夕闇の中、その絵に引き込まれてしまいました。ささぐれた心持ちが癒されました。