旧文体に躓いて。

純文学が大好きなエマです、こんにちは。

長い年月をかけて、漸く小沢書店出版の「小川国夫全集」全14巻を読了致しました。何年越しに読んだのだろうと思いつつも、指折って数えるのは止めておきます。

この全集は元々母の所有物ではありましたが、持って行っても良いよ〜との快諾を得て、ドイツくんだりまで持ち帰って来て、今に至ります。母と同じく小川国夫氏が好きで、とはいえ元々読むのが遅く、かなり時間はかかったものの、やっと読了。達成感あります。

「小川国夫全集」を持ち帰った翌年の帰省で、母から託された岩波書店出版の「露伴随筆」全5冊、難解そうで持ち帰る事を正直躊躇っていました。そもそも幸田露伴の書物は今まで読んだ事がなく、その高名に一種の憧れこそあれ、明治生まれの作家の、現代文ではないその文章は、学のない私には空恐ろしくもありました。同じ明治生まれの森鷗外夏目漱石ならば問題なく読めるのですが、露伴のハードルは高い。

一応読んでみようと数行読み、頭がクラっときましたね。漢字も旧漢字、旧仮名遣いが多く、ふりがなも所々振ってあるのみ。それにしても難読漢字にはふりがなが振っていないのは何故だろうか。試される読者。1983年の出版だからかもしれない。最近の重版なら異なるのかもなんて淡い期待もありつつ、でも折角手元にある原文を読んだ方が良かろうと思ってみたり。

それにしても、自分自身の手に余る難解な旧文体を、どう読み解いたら良いのだろうか。辞書を引き引き読んでは興醒めだし。何度も繰り返し読んでみたら、いつかは閃いて理解出来るようになるのだろうか。それとも諦めて口語訳や解釈本を探すべきだろうか。竹取物語徒然草は口語訳でさっさと読んでしまったけれど、それは物語であるから自分的にはオッケーというか。そもそも幸田露伴を読もうという時、随筆から入るのはハイレベルすぎるのか。娘さんの文章は読み易いので有難いのに、お父さん、難しすぎです。

難解、というよりは旧文体が苦手な私ですが、どなたかに、そうした本の読み進め方を指南して欲しい今日この頃です。どうしても選択的に読みやすい本へと流されている私ですが、心掛け次第で難しい本を読めるようになるのならば、多少の生活改善は余儀なきものとして受け入れたいと思います。ぶっちゃけ、「漫画で読む日本史」みたいに「漫画で読む露伴」なんてあったら手に取り易いかもしらん。

 

おや、箱入り本は絶版ですかね。岩波文庫であるようです。

長い秋の夜長には読書が一番。良い晩秋をお過ごし下さい。