父の貰った表彰状

エマです。

今週のお題「表彰状」ですね。私自身は大して表彰された事のない凡人ですが、今日は父の事を語りたいと思います。自慢というか、単に父親っ子なだけですが。

父は若かりし頃、警察から表彰状を貰った事があります。たしか警視総監感謝状だったかな⁈ 実家建て替えの時に片付けてしまったから、今度親に確認してみよう。多くを語らない父なので、ハッキリとしない部分もあるのですが、備忘録として記録しておこうと思います。

父は高卒、転職組の第3種地方公務員(現在は定年退職)。当時高度成長期の日本では低賃金の地方公務員。家族の為に安定した職をと、大好きな自動車会社の当時日本最大を誇る工場での電気工の仕事を辞めて、民間から公務へ転職しました。今以てこの自動車会社の車しか乗らない程、父は忠誠心の厚い人です。

今はどうかは知りませんし、業種にもよるとは思いますが(父は一般事務職)、第3種地方公務員の新人がまず回されるのは、清掃・下水処理関連の事務所。父も長らくは下水処理事務所の事務を務めていました。そこの下水処理場の敷地内だったか、管理している敷地内だったか、よく覚えていませんが、そこで小さな子供が溺れたんだそうです。咄嗟に飛び込んで助けたのが父。その場に他に誰か居たのかは知りませんが、父の人となりを考えると、躊躇せずに飛び込んだと私は思っています。

そういう経緯で頂いた警視総監感謝状。実家には長い事、額縁に入れて大切に飾られていました。自分語りをあまりしない父に変わって、その話は母から聞きました。大好きな父の事を誇らしく思い、益々大好きになりました。

助けられた子は現在でも毎年年賀状を父へ送ってくれています。昨年の年賀状には、「自分にも、守ってあげたい子供が出来ました。助けて頂いた命が繋がって行きます。一生感謝です。」と嬉しい報告がありました。父はずっと以前から、恩だとかに縛られずに気持ちだけで構わない、年賀状とかもう気にしなくて良いんだよ、と伝えていたそうです。それでも送られてくる年賀状を毎年嬉しそうに眺める父。年老いて行く父に、毎年新年の始まりに喜びをもたらしてくれるその方に、感謝の気持ちでいっぱいです。

生きるのが不器用な父。出世もせずに、PCもまともに使えない世代として、でもコツコツ真面目に家族の為に、嫌な事があっても、通勤電車の混雑率が140%でも、定年まで務めあげました。こうした世の中のお父さんお母さんが日本を支えている。私の父はその中の1人に過ぎないけれど、そう簡単に出来る事ではない。私もそんな父に感謝状を送ってあげたい。

 

感謝状

 お父さん様

あなたは雨の日も風の日も、永きにわたり、愛する家族の為に心身を削って仕事に通い、妻子を養い、寒い思いやひもじい思いもさせずに、立派に定年まで勤め上げました。

あなたは自分の多くを語りませんが、私たち家族はちゃんと見ています。家族はあなたの誠実さと愛情を知っています。

よって此処に感謝の意を表します。私たち家族はお父さんという、かけがえのない人と家族になれた事に感謝しています。私たち家族は幸せです。お父さん、有難う。

家族代表・次女より

f:id:Mimilein:20180216070524j:image

お父さん、私たちも親から子へ繋がったよ。親業まだ4年だけど、精一杯頑張るよ。