レオ・レオニの本

 エマです、こんにちは。

先日、本屋さんでレオ・レオニの絵本を一目惚れして購入。ドイツ語翻訳版を購入しましたが、日本語翻訳では「あいうえおのき」として出ています。日本でも大変人気のある方の絵本ですので、屹度皆さんもご存知かもしれませんね。

日本語翻訳を読んだ事がないのですが、最後はじん、ときました。ドイツ語を直訳すると、「地球上の全ての人々に平和を」が、最後の言葉なのですが、何だか日本語翻訳は全然違うみたい。「大統領」と言う言葉が出てきたり、「せんそうはまっぴら」が最後の言葉だし、ええーっ、全然違う。戦争に敏感なドイツだから、そんな言葉の一切出てこない話に作り替えられているのか、はたまた、原文だとまた違うのか。

混乱した頭で、英語が苦手な頭を駆使して原文をサラリと読む。矢張り原本とドイツ語は言語の近さもあって類似した内容のようだ。良かった。ドイツ語翻訳でとても良いなと感じた絵本。この日本語翻訳だと多分購入まではしなかったかな、というのが正直な感想でした。翻訳された谷川俊太郎さんは私も好きな詩人の1人。書籍にしてもドキュメントにしても、翻訳は直訳とは違い、意訳が求められる。もしかしたら、谷川さんと作家と交流があって、その意思を汲んでの事なのか…。私がもしかすると、行間を読み切れておらず、本当は戦争や争いについて読み取れるものなのか、この本を次男に読み聞かせていた旦那に訊いてみました。矢張り彼も戦争の事など全く書いていないし、また、そう読み取れないと。

私の愛するヘルマン・ヘッセと日本語翻訳者である故・高橋健二氏。この二人は、お互いがよく交流をしていて、高橋氏がヘッセの心の持ちようなどを上手に感じ取って、とても卓越した翻訳をされていました。こういう背景を、読者は知り得ない事も多いのも事実。だから先述したように、もしかすると、レオニと谷川さんの間にもそういった交流があって、レオニの心情を汲み取ったのかもしれないなとも思います。そして、スイミーにしても他の絵本にしても、協力する事で大きな力に打ち勝つ事が出来る、争い事はしないなどの主題が多いレオニの絵本。戦争体験のある谷川さんには思うところも多かったのかもしれません。

外国語の絵本を日本語翻訳で読んで、好きな作品も沢山あります。勿論原文にこだわることなく楽しく読めてしまうのは、矢張り翻訳家の偉大な力のおかげでもあると思っています。普段あまり気にした事のない原文。時には原文と翻訳文の両方を読むと面白い発見も多いです。

日本の絵本作家さんは内容や絵の構成が素晴らしく、ドイツでもとても人気があり、私自身初めてドイツ語で読んでから、日本語の原文で読んでみて、沢山の発見があります。最近楽しく読んでいるのは外国文学ですが、「かえるくんとがまくん」。こちらは長男の国語の教科書で読んで気に入ったので、ドイツ語翻訳で作品集として購入。とても素朴で良い内容でしたが、日本語翻訳の方が優しい感じがしました。

中々本を読む為の時間、というか心の余裕があまりないのですが、また少しずつ色々な本を読んでいこうと思っています。

 

皆さんもお体に気をつけてお過ごし下さい。