布団は「ひく」?「敷く」?

東京都下出身のエマです。

ほぼ神奈川県境の三多摩出身、多摩弁を喋ります。東京弁の一部ですが、農村の言葉なので、土臭いというか。とは言っても出身地域は東京のベッドタウンとしても開発されたのもあり、多摩弁を使うのは70代になる親世代、祖父母世代位で、新しく引越して来た方たちや最近の若い人は使いません。

他方、静岡県中部から東京へ学業の為に上京し、三多摩出身の父と結婚した母。標準語だと思って結構静岡弁を話してます。父にしても、戦前に上京して来た山形・福島の東北地方出身の両親を持ち、必ずしも100%東京っ子とは言い難く。東京っ子・江戸っ子と言ったら矢張り山の手や下町ですね。なので三多摩っ子としておきます。とはいえ仕事柄標準語が話し言葉でした。男の人がきちんと東京の言葉を話すのは優しく聞こえて良いなと私は思います。一方で母は、浜松の男の人の話し方が優しくて良いと言いますから、その地方その地域によって憧れたり、響きが良いと思う言葉はそれぞれ人の持つ感覚によるものが大きいのでしょうね。

私自身は加齢と共に母と話す際に、静岡寄りの話し方になってきているように思います。勿論その土地の生粋の言葉は分かりません。しかし母が自分が標準語を話していると思って話す静岡弁が私にも移ったというか。私の姉妹にはそういった傾向はないので、不思議なものです。

あからさまに「〜ら」とか「〜するら」のような語尾は、母も従姉妹たちや静岡の友人たち以外とは話しませんので、

「かしん、とぶ、〜もんで、〜だで、わたしっち、うちっち、〜するだよ、いいにする」

のように、誰が聞いても分かる言葉が会話の中で主に使われます。方言でも同じ言い回しをする異なる地域も多いですよね。「とぶ=駆ける」なんて東京でも使う人はいますし。ただ、あの静岡弁の間伸びした話し方や語尾の抑揚に特徴があり、愛すべき言葉なのです。

先日読んだ、幸田文の「雀の手帖」の後書きに、東京弁では「布団は『ひく』」と言うと書かれてありました。標準語の「敷く」の訛り。なんの事もない、標準語を話しているつもりで静岡弁を話す母の事を揶揄する私自身、やっぱり母の子なのである。

しゃべるずら静岡弁

しゃべるずら静岡弁

  • 発売日: 2009/09/01
  • メディア: 新書
 

やっぱ、「布団はひく」だよね〜☆