日本語学習への葛藤

エマです。

幼児教室の先生に聞いた話ですが、幼児は年齢プラス5分が大人しく座って居られる限度だそうです。もっと長く座って居られる子供もいるとは思いますが。

我が家の長男は多動で落ち着きがありません。外では借りて来た猫のように大人しいくせに、家ではその反動で暴君となる内弁慶。そんな長男のお勉強。国際児としてドイツにいると、日本語の読み書きは先取りしておかないと補習校等に入る事はほぼ出来ません。補習校は語学校ではなく、あくまで現地に住む駐在員さんなど、日本へいづれ帰国する方のご子息が優先で入学出来る土曜日もしくは金曜日開催の日本人学校です。インターナショナルスクールなどに通われている子供たちが日本語教育を補う一環で通うか、国際児が通学しています(稀に親日家のご子息も)。週一開催の為、普通学校の教育課程に遅れを取らないように宿題も多く、家庭での自宅学習を親主導で熱心に行う必要があります。お当番や行事の手伝いとかも結構あります。

今迄は、国際児も大抵補習校を目指して幼稚園児の頃に平仮名の読み書きを自宅学習で勉強するのがドイツ子育てのセオリーでした。最近は規模は小さいけれど、国際児向けの幼児教室や学校がちらほら出来てきました。我が家の子供たちもその幼児教室に通っています。国際児向けの幼児教室や学校は補習校と違い、日本語継承・日本文化体験に力を入れており、語学校色が強いのが特徴です。

補習校とそうした国際児向けの教育機関との教育方針を比べて、我が家は後者で行こうと夫婦で意見が合いました。確かに補習校だと、日本語で行う普通授業の中で、普段使う日本語の語彙が増え、日本語に触れる機会も多いです。ただ、通常の日本語以外の勉強そのものは現地校でも出来るし、日本語・日本文化を教える教育機関としてならば、国際児向けの教育機関の方が自分たちの子供たちに合っているという事が決め手となりました。ただし、現在イギリスのEU脱退の関係で駐在員さんたちの多くがドイツへ流れてきている事などから、補習校も、そうした国際児向けの教育機関も定員がいっぱいいっぱいなのが現状です。なので全ての機関に入れるように併願される家庭もあります。我が家は単願なので、来年小学生対象の日本語教育機関の定員に何とか滑り込めると良いのですが・・・。

我が家の長男も次男も、言葉はゆっくりめ、学習の理解も遅めです。個人差なので仕方がないのですが、矢張り出来る他所のお子さんたちを見るとやきもきする時もあります。長男に至っては、日本語の宿題等をやっていると、出来ないので必ず逆切れするし、何で日本で産んでくれなかったのかと罵倒してくる事もあります。それを聞いていた旦那には個人的に取るなと言われましたが、実は私は対して気にしておらず、日本で産んでも同じ問題に直面すると思うよと売られた喧嘩を買っておきました。でもよく思えば、私自身小学校へ上がるまでは文字は一つも書けなかったし、算数も出来なかったです。そんな幼い長男が今幼児教室で頑張っているのは、偉いなぁと褒めてあげたいです。

 

最近算盤を習い始めた長男。1-10までは数えられるのに、1の次が2だと分からなかった長男が頑張っています。数字の方が楽しいようです。日本語が難しくてコンプレックスを持っている分、算盤が出来る事が彼の自信になっていってくれたらなと思います。最近は地下鉄の電光掲示板を見ては、電車の待ち時間を足し算してみたり、少しづつ出来る事が増えて来ました。

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国際児は現地語に加えて日本語も習わなければならないので大変だし、その分その所為で他にやりたい事があってもそれは後回しになったり出来なかったりします。勿論全く習わなかった人や補習校をドロップアウトした人などが周りにおり、やはり大人になってから、あの時日本語をちゃんとやっておけば良かったと後悔している人たちもいるのも事実。しかし無理強いして良い事はあるのだろうか。結果的に、日本語ペラペラなバイリンガルもいますが、その日本語学習の大変さを、あの時嫌でもやっておいて良かったと思う人もいれば、トラウマレベルになる人もいます。我が家は子供それぞれの性格を考えながら、細々と日本語教育をしてゆけたらなと思います。

また、我が家の子供たちの主な生活拠点はドイツです。その為、ドイツでの通常の勉強や色んな可能性を伸ばしてやる事の方が、子供の自信に繋がったり、世界が広がると思うので、そちらをメインにした上で、日本語学習を続けられたら一番良いのかもしれません。

よく最近耳にするのが、私のような現地組の先人たちのお話。皆さんもう年金生活に入られた年齢の方たちばかり。異国でボケてしまった時、ドイツ語能力を失って日本語しか理解出来なくなる日があるかもしれない。その時の為に子供たちが日本語が出来た方が介護してもらいやすい、こんな話。確かに一理ありますが、ドイツ語能力を失うかなんて誰にも分からない。ボケるかも分からない。そんな不確定な事の為に、保険をかけるように、子供に日本語学習を強いて良いのだろうか。日本語を勉強する当の本人がやりたいと思い、自分の為にする事がベストなのではないだろうか。勿論実際に日本人の親の介護をするその時になって、子供たちもやっておけば良かったと思うかもしれない。後悔先に立たず、とは言うけれど、子供たちは自分で自分の可能性を模索して行って欲しいと思う。勿論幼い子供たちの心は移ろいやすく、その時の感情だけで日本語学習を嫌だと言うかもしれない。そんな時は、多少は親が我慢強く子供たちの道標となって、最善と思われる方向を指し示してあげられるようになれたらいい。私もそんな親になりたいです。とはいえ私は我慢強くはない未熟者なので、旦那に間に入って貰いながら、子供たちが日本語を片言でも良いから出来るように教えていきたいと思います。まずは日本語のアウトプットから。理解はしているのに日本語を話さないのです。これから文章の練習が始まったら、少しは日本語で話してくれるかな?

共働きというのを言い訳に、コミュ障を拗らせて、日本人の親御さんやお子さんと一緒に遊ぶような機会がないのも良くないのです。しかし大抵の方は国際結婚の為にドイツへ来て、小さいお子さんたちがいるし、旦那様たちも職業的に恵まれており、専業主婦が多く、皆さんの会話は大抵同じ習い事やらショッピングの話、人の噂話ばかり。内輪的な会話に入れません。皆さんの活動時間中、私は勤務中。働いているかいないかで線引きがされてしまっているのも事実です。とはいえ、私の性格だと、専業主婦になったとしても、自分のコミュ障が治るとも思えず。

何だかんだ云ってまだ補習校への未練があるので、一応受験だけでもするか悩んでいる今日この頃です。他の教育機関と開講時間が一緒なので並行して通う事は出来ないので、どちらかに通う事になるかとは思いますが(場合によっては浪人、次年度再チャレンジです)、子供たちに多少なりとも日本語に触れる機会を作ってあげたいと思います。

結局はドイツ在住。日本語教育にこだわり過ぎず、子供たちがゆっくり自分の好きな分野に進めたら良いだろうなと思う。ドイツは大学卒業が最終目的ではなく、何の職業訓練をしたか、何の専門分野を勉強したかを重要視します。所謂専門分業国。なので、何かしらのエキスパートになっておくれ。それが好きな事だったらもっと素敵。

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旦那購入のLEGO Technic のクレーン。長男が組み立てたくてウズウズ。今週末のお楽しみ♪