1つの時代が終わって

エマです。

令和になりましたね。改元前までは、1つの時代である平成が終わるという何となく淋しい気持ちや変わって欲しくないような気持ちと、色々な感情が交錯しました。しかしながら全ては通過点でしかなく、喉元過ぎれば熱さを忘れるというか、何事も嫌だろうと好ましく待ち遠しい事も唯々通過するのみ。ならば可もなく不可もなく、平和に時が通過してくれる事のみ願います。

今回の改元生前退位という事で、ご崩御の悲しみの続く中のものとも異なり、平和なお祝いムードの中、新天皇陛下の御即位となったので、私としても心穏やかに時代の流れを受け止める事が出来ました。

夏目漱石が「こころ」の中で明治天皇陛下ご崩御の時の気持ちについて書いていましたが、時代は違えども、昭和天皇陛下ご崩御は、感じ易い思春期だった私の心にはとても辛かったのでした。次に同じ様に辛かったのは、2005年4月に法王ヨハネ・パウロ2世が逝去した時。どちらの際も、光が世の中から消えたように私の心の中の灯火が消えたのでした。私の両親は当時も今もまだ健在ですが、その時はまるで両親や頼れる人がいない天涯孤独な感情というか、待って待ってまだ行かないでと、追い縋るような、居ても立っても居られない気持ち、そして心にポッカリと空いた喪失感に苛まれました。いずれも立ち直るのには時間が必要でした。

そういう意味で私の中で今回の改元は、心中穏やかに過ごす事が出来、幸先が良い1つの通過点として心に刻む事が出来ました。令和という新しい時代が平和で幸福である事を祈る沢山の人たちの1人に連なる事が出来た昭和生まれの私はある意味幸せなのかもしれない。

こころ (新潮文庫)

こころ (新潮文庫)