親権者との意見の相違

エマです。

一昨日長男の幼稚園で「明日プールに連れて行くので同意書に署名して下さい」と唐突に言われました。その場で署名しても良かったのですが、元々旦那が反対派なので、翌日提出する事にして、同意書を家へ持ち帰りました。

我が家の旦那氏はとても心配症・慎重派でして、特に水系に関しては頑なに行きたがりません。子供たちはプールが好きですが、病気をもらうかもしれないし、溺れるかもしれないし、転んで頭を打つかもしれないのに幼児を二人も連れてプールに行くのはシンドイのだそうです。以前、次男のまだ生まれていない冬に幼い長男を連れてプールへ行った後、熱性痙攣を起こした事に起因し、特に冬場はプールへ行きたがりません。

ドイツではプールは学校には併設されておらず、授業として時々市営プールへ行って泳ぐのが常で、泳ぎを覚えるには各家庭が水泳を習わせるしかありません。しかしこちらではプール運営コストが高い為、フィットネスクラブも日本の各フィットネスクラブのようにプールを維持しておらず、プールそのものの絶対数がありません。あるのは大抵市営プール、私営のテルメと呼ばれる多目的プール。未就学児が通う水泳教室は私営の水泳専門グループのプールのみ。どのコースも空きがなく、待機状態。ドイツでも昨今、泳げない子供が多いらしく(そりゃあ学校で教わらないのだもの)、バカンスに行って溺れたケースが年々増加して問題になっています。

 

夕方に帰宅した旦那、同意書を見るなり顔を曇らせ「もう同意したの?」。いやいや、話し合うべきと思ったから署名してないし。

先日近所の動物園で2歳の男の子が溺死しました。当該の場所は、私も何度も行った事があるので知っていますが、ラクダの敷地内と遊歩道は分けただけの浅いお堀。お堀とはいっても普通に跨げる浅い水路で、水位は20センチ位でしょうか。子供は5センチの水位でも溺れるといい、お風呂等では目を離さないように親は小児科医等から指導されます。我が家でもお風呂の際は気を付けるようにしています。幼児って、顔が水の中に入っても、案外大人が思っているように、すぐには体を上げて自ら顔を離すという行為が出来ないものです。そのまま水を飲んでしまったり、パニックになって窒息する可能性があります。だから5センチの水でも溺れると言われます。

最近のこのニュースにいたくショックを受けた旦那は、この話を持ち出して猛反対。長男がどうなっても良いの?と。我が家の長男は泳げません。プール自体は好きですが、お風呂で洗髪後に洗い流す際、怖がります。目に水が入るのが嫌なようです。幼稚園のように大勢でプールに行った際、先生がマンツーマンで傍にいてくれる訳でもないし、動きの激しい子供たちがいる中、危険がいっぱい。だからプールには行かせたくないという、旦那の意見も理解出来ます。しかし病的なまでに水関係には慎重派。

とはいえ、幼稚園でさんざん「明日はプールに行くよ。水泳パンツとタオルは絶対忘れないように」と何度も何度も言い聞かせられ、長男は行く気満々。期待に満ち溢れています。なのに次の日に自分だけ行けなくて(全員が行くわけではない)、嬉しそうに出発する友達を見るのは切ないと、私自身は思いました。先生も「足のつかないプールに行くわけではない」と言っているし、子供プールでバシャバシャやる程度。楽しい思い出にして欲しいと思い、私は翌朝、同意書に署名をし、長男を幼稚園へ送り出しました。旦那は相変わらず反対なので、昨晩から私とは冷戦状態です。

 

旦那が反対しているのに自分の意見を強行して長男をプールへ送り出したのは私自身のエゴですが、旦那が長男を心配しているように同じ親心から出たものです。それを正当化するつもりはありません。本来ならば、両親の意見が対立しているのであれば、納得いくまで話し合うべきなのも分かっています。

 

昨日長男が大いにプールで楽しんで帰って来ました。滑り台で膝小僧を擦りむいたり、手のひらを小さな虻に咬まれたりしたそうですが、皆で電車に乗って行き、ワイワイ遊べて本当に楽しかったようです。

長男が何事もなくプールから戻れたから、大丈夫だったじゃん?ではなくて、本来ならば無事に帰ってこれた事は幸運なのかもしれません。しかし妊娠・出産は奇跡、危険がいっぱいのこの世の中で、すくすく成長出来るのもまた奇跡。子供が危険な目に遭わないように注意して見守るのが親や周りの大人たちの役目。小学校に上がれば、保育園や幼稚園のように過保護なまでに先生たちが同伴して守ってはくれません。今のうちに少しずつ、何が危険なのか学んでいって欲しいと思っています。私たち親だっていつまでも子供たちを手元に置いて守ってやる訳にはいかない。いずれ我々のもとから羽ばたく子供たち、それまでに自分の事は責任をもって自分でやる、自分を守る事が出来る人間になって欲しいです。

 

 旦那とは育児に関しては結構意見が相違します。旦那は両親と近所に住む縁戚の人たちや彼を取り巻く人々に大切に大切に守られながら育ってきました。それは旦那たちの関係を見ているとよく分かります。ああ、愛されてきたんだなあって。一方で、真ん中っ子の僻みかもしれませんが、私は比較的親からほったらかされて育ちました。親の目のない所で命に係わる事にも何度か遭遇しています。当時、貧乏で粗末な百姓家に住んでいたので、近所の新興住宅の小金持ちの子供たちからはよく嫌がらせをされたりもしました。そんな時助けてくれる親は傍にはいませんでした。それでも私は両親に愛されている事は分かっています(大人になってからですけれど)。国が違えば家族間での愛情の表現も異なるし、そうなればお互いが自分の子供たちに対する愛情の示し方だって違います。こうした旦那と私の間の価値観の違いは、子供がいなくてもあった筈。しかし子供がいる事でこの違いが如実に現れてきました。これからもお互い衝突してゆくと思います。出来れば今回のように一方的な押し切る形は取らないように、特に私が謙虚に歩み寄らなければいけないなあと思いました(やはり罪悪感は拭えません)。

 

長々と、まとまりのない文章になってしまいました。言い訳のような、自分を正当化しているような文章ですが、書き出してみる事で、少し頭の中を整理出来ました。お付き合い頂き有難うございました。

 

先日問い合わせていた水泳教室から昨日電話がありました。秋からのコースが8月10日から申し込み開始との事。よし、PCの前に座って申し込み準備だ!長男よ、早く泳げるようになるのだ。泳げると楽しいよ。

 

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 いつか家族で海辺でバカンスを楽しみたいです。